額・軸 -知識-

知識の額・軸編です。絵画に付き物の、額や軸は、実際はどんな扱いで、どう評価されているのでしょうか?業界の中での考えや、購入場所、選ぶ目的など、参考になればと思います。

■老舗の額装屋、軸装屋
業界の中での額や軸の評価は、少し特殊です。老舗と言われる額装屋、軸装屋の額や軸だった場合、鑑定書が無くても、本物扱いです。むしろ、鑑定書代わりになっています。理由は老舗の額装屋、軸装屋は鑑定はできない(できる作家もいる)が、昔から大物の作家の額や軸を取り扱っていたため、目利きができる。老舗というプライドもあり、偽物の額や軸をお願いされても、断る。などの理由があります。版画に老舗の額をつけて売ったら、100万円になったこともあります。これは、普段老舗の額装屋は、版画を断るので、珍しさがあるからです。その他にも、絵画の評価より額や軸の評価が高い場合もあり、本当は断るはずが、額や軸欲しさに買い取る場合もあります。

■額や軸が無い方が良い
極論でもありますが、額や軸が無い場合が良いとされることもあります。額や軸は絵画のイメージを決める大切なパーツです。持ち主の意向が大きく関わり、趣味が悪い人からの転売された物だと、趣味の悪い絵だと思われてしまいます。そんな場合は、額や軸を捨てて、裸で売ります。もちろん、採算が取れる場合は、新しい額や軸を付けますが、取れない場合は、そのままの方が良いのです。

■絵画のイメージを決めるパーツ
絵画のイメージを決めるパーツという言葉を使いましたが、まさにその通りです。白い絵に木の額をつければ雰囲気が増します。白い額でも、透明度が増し、良いです。ですが、金縁の額をつけたら、どうでしょうか?正直、イメージ悪いです。この様に、額だけでも絵画のイメージが変わり、とても大切なパーツなのです。

■注意事項
額を扱う場合の注意事項は、手袋をし、指紋や油などを額につけない方が良いです。特に木の額は、水分を吸い取り跡が残ります。そうすると修正不可能な場合が多く、取り替えることになります。
額は、絵画を守るものです。ですが、参考価格にもありますが、とても高いです。いざという時には守る道具ですが、それ以外は壁にぶつけることなどには、注意してください。額は非常に弱いです。ぶつけると、へこみ、や塗装の剥がれなどがあり、マイナス査定の対象になります。
軸を扱う場合の注意事項は、湿気に弱いということです。ずっと押入れにしまっておいたりすると、軸だけではなく、絵画もダメになります。半年に1度ぐらいは、絵画を出して飾ることをお勧めします。
額と違って、とても弱いのが軸です。雰囲気は額より軸の方が良いのですが、弱いのは大きな欠点です。守るものがないので、すぐ破れます。
軸装を巻き取るために、持つ場所に、象牙を使用していることがあります。(正確な名称がわかりません)象牙は申請しなければならない対象になっています。象牙だけでも高価なものというのと、密漁などで取り締まりが厳しくなっているのが原因です。画廊に勤めていた時も、象牙が使われているかどうかを調べさせられたことがあります。最悪捕まるということも考えられますので、象牙かどうかの確認が必要です。 象牙かどうかも、業者でさえ見分けるのが困難な場合もあります。これは、知識のないダメ部長が偉そうに出てきても、騙されないために必要な知識となります。言い訳がましいことを長々と言うと思いますが、確信をつくことは言えません。それは知識がないからです。こんなバカに騙されないようにしましょう。業界には、詐欺まがいのことをやっている人が多いです。

■参考価格
江東区の老舗軸装屋 10号 15万円
台東区の軸装屋 8号 9万円
赤坂の額装屋 10号 20万円
文京区の額装屋 10号 3万円
※相手を見て金額を決めている為、同じ注文でも金額が異なります。
※注文をする額や軸の種類のよって、金額が違います。


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絵画についてのサイトです。絵画と聞くと、値段が高いのでお金持ちの趣味と思う人が多いと思います。ですが、絵画はピンからキリまであります。元画廊で働いていた経験を活かし、絵画の世界に迫っていきたいです。絵画の世界について知りたいという人の手助けになれば光栄です。