買う方法 -絵画を買う-

絵画を買う、買う方法編です。
絵画が欲しいと思っても、絵画を買う方法を知らない。そんなことがあります。画廊で働いていた時も、お客さんから「絵画は、ここで売っているって初めて知りました」と言われることがありました。確かに「画廊」という言葉は普段耳にしません。かと言って、町中を歩いて探しても、安い版画屋があるだけで、本画を求めても見かけません。ネットでは、実物を見ていないので、高いお金を出した買いたくない。そんな人に、買う方法を知って欲しいです。

■画廊
一番は、画廊で買う方法です。やはり専門店で買うことをオススメします。他の方法と比べても、品揃え、価格、信用(真贋など)が違います。画廊は、作家と直接取引をしていることが多いので、新作が買いやすく、デパートなどと違って、中間マージンが少ないのが特徴です。それと、一部の画廊では目利きができる人がいるので、その場で偽物かどうか判断できるのも良さの一つです。私の働いていた画廊でも、実際に東京美術倶楽部で毎月行われる鑑定に参加している人もいました。これに参加するには、画廊の地位や、知識を必要とし、日本で数人しかなることができません。こんな画廊から買えれば、真贋の心配はないですし、安心です。ですが、そんな画廊でも業界中から後ろ指を差されるぐらいダメな人もいます。そんな人に限って、薄い知識を武器に、口だけの出任せ接客をするので、注意が必要です。

■デパート
安心に続くのはデパートです。これは都内のデパートだけが安心ではなく、日本全国どこでも条件は同じです。理由は画廊の人が出入りしているからです。ただ、東京は新作が入りやすく、地方になると遅いのが特徴です。例えば、東京と横浜では一ヶ月の差があると一般的に言われています。
あとは、デパートによって取り扱いが違います。現存の作家しか置かない、物故しか置かない、作家によっては取り扱いがないことも特徴です。デパート名は上げられませんが、片岡球子を取り扱わないデパートがあります。以前は取り扱っていたのですが、片岡球子の作品は絵の具が厚塗りで、絵の具の割れや剥がれやすいことが特徴です。以前に重大な事件がおこり、片岡球子の作品は取り扱いが禁止されました。片岡球子の作品は号単価が非常に高く、人気の為、作品数も少ないです。参考価格としては、面構えシリーズの一つでデパートの発表2500万円で出していました。値段、扱いと非常に大変なので、取り扱いを止めてしまったということです。

■版画屋
街を歩いていると、版画屋さんを見かけることがあります。よくあるのは、若くて綺麗なお姉さんに店の前でティッシュやら広告を配り、捕まったら店に連れて行き、版画を買わせるやり方です。売っているものも素人受けする、「クリスチャン・ラッセン」「ヒロ・ヤマガタ」が多いです。綺麗で飾りやすい絵ということですね。正直、版画かどうかも怪しいです。個人的には、ただの印刷だと思います。印刷と版画の違いは、版画には作家のサインが入ります。絵を見ていると買わされそうなので、近づいて確かめたことはありません。何でもいいから絵を飾りたいのでしたら、オススメだと思います。

■買取屋
ブランド物の買取の中に、美術品も買取をしている店があります。ここでも、絵画を買うことができます。ただし、絵画が店にあればの話です。もちろん、リスクはあります。店員に知識がないことです。本業は、おそらくブランド物の買取だと思います。そこで、絵画を買ったら、真贋を店員ができないので、売るほうも買うほうも、本物かどうかの判定ができない。それと、値段も正規の値段ではないと思います。試しに「手塚雄二の号単価の値段を教えてください」と聞いてみてください。答えられないはずですから。

■インターネット
最近ではインターネットでも絵画を買うことができます。ほとんどは版画ですが、本画も中にはあります。ですが、高いものを現物を見ないで、買うのでしょうか?本物かどうかの確認も怪しい、出所も怪しい物です。以前、画廊に勤めていた時に、勤めていた画廊で版画を250枚ぐらい刷って作ったことがあります。それを同業者に押し売りをして利益を上げました。押し売りをされた同業者は、ネットオークションに出品していました。もちろん買い手はついていませんでした。100万円以上するものをネットオークションでは買いませんよね。ただし、画廊がやっているサイトは信用があります。これは画廊で買うのと一緒です。

■オークション
オークションでも買うことができます。これはネットオークションではなく、正規のオークションです。取り扱いは、絵画以外にも美術品全般、ブランド物など、何でも取り扱いをしています。実際に買う方法は利用したことがないので、わかりません。ですが、業界人も掘り出し物があれば手を出します。それと、会員登録をして、値段の動向、売れ行きなどを探るのに使っていました。

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当サイトについて

絵画についてのサイトです。絵画と聞くと、値段が高いのでお金持ちの趣味と思う人が多いと思います。ですが、絵画はピンからキリまであります。元画廊で働いていた経験を活かし、絵画の世界に迫っていきたいです。絵画の世界について知りたいという人の手助けになれば光栄です。