原価計算 -裏技-
裏技編の原価計算です。原価を知っていれば、値段交渉がやりやすくなります。デパートや、画廊に出している値段から原価を求められます。原価を出すことができれば、お店の誠意が本物かどうかを見分けられます。家電量販店などで、店員がバーコードリダーを使って、原価などの情報を見ているように、画廊などでも、原価の計算は店員がその場でできます。それは、私が計算し、下げられる値段を決めていたことなので、どこのデパートなどでも一緒です。
■値札
まず、値札の話から入ります。絵画にかかっている値札ですが、信用できません。理由は、絵画は値引きして購入をするのが前提で出している値札だからです。これは、絵画などの美術品を購入したことのある人でしたら、知っている話です。知らない人がお店に来て購入することもありますが、値引きをしないで購入します。素人だと思われるので、カモにされます。注意してください。
■原価と仕入先
まずは、解りやすい現存の原価です。現存の値段は美術市場という本を元に作られます。美術市場に出ている金額は、10号を基準にした1号あたりの価格です。10号だと単純に10倍すれば価格が出ます。1号の単価は、10号以下だと安くなり、10号以上だと高くなります。それに対して、原価の値段ですが、仕入先によって違います。現存の作家の場合の仕入先。慣れないと、聞きなれないこともあると思いますが、順を追って説明します。
1、作家に描いてもらう。
作家に描いてもらう方法は、作家との直接取引がある場合に限られます。この場合、原価は一番抑えることができます。新作展などの展覧会をやっている場合は、作家との取引の場合が多く、考えられないほど値下げできます。
例:中島千波
発表価格:九百万円(号単価 九十万円)
貸出価格:五百四十万円(取引先はデパートなど)
原価:二百万円
2、業者専用の仕入れオークションで仕入れる。
業者専用のオークションで仕入れた場合の原価です。
例:中島千波
原価:三百二十万円
3、画廊同士の貸し借りなど。
画廊同士の貸し借りの場合の価格です。絵画を借りて売るので、利益は減ります。そうすると、値下げもできなくなります。
例:手塚雄二(号単価 七十万円)
原価:百五十万円(作家に描いてもらった)
原価:三百万円(画廊同士の貸し借り)
4、展覧会(業者が強制的に競り落とすオークション)で仕入れる。
具体的に、どの展覧会か業者が強制的に競り落とすかは言えませんが、参考価格を比べてみましょう。
例:西田俊英
原価:百二十六万円(オークション)
※20号の価格
原価:九十五万円(作家に描いてもらった)
※12号の価格
5、お客様からの買取
実際にお客様からの買取をしたことが、ほとんどないので参考価格は載せられません。ですが、業者専門のオークションに出しても利益が出る価格で買い取ることをしています。オークションの参考価格に出した中島千波なら、百万円台で買い取ると思います。